近年MotoGPで影響力を増しているメーカーの一つにHJCがあります。
そこで本記事では、HJCについて解説させて頂きます。
HJCに良いイメージの無い人もいるかと思いますが、
特徴や良い点だけでなく、そのイメージの元となる懸念も紹介しています。
HJCに興味がある方は是非読んでみてください。
目次
HJCの紹介
HJCは1971年にオートバイ用ヘルメットの専業メーカーとして韓国で創業されました。
欧州No.1メーカーのNOLANは同じく1971年に創業であり、
歴史としては他のメーカーと大差はありません。
製品は韓国の本社工場、中国工場、ベトナム工場で生産されています。
なお北米でのシェアはNo.1のメーカーになります。
MotoGPでは2016年からレースのスポンサードをしており、
2019年はドイツGPのタイトルスポンサーを務めていました。
日本の総代理店はRSタイチが担っています。
なおHJCはヤマハ製のヘルメットのOEMをしていたのも有名な話です。
HJCの特徴
HJCヘルメットは韓国のR&Dセンターにて
デザインから開発や試験を一貫して行っています。
その中で培われた特徴を紹介します。
帽体にはP.I.M. PLUSというHJC独自の材質構成が採用されています。
樹脂だけでなく、カーボンも織り込まれており、
強靭さ軽量化を高い領域でバランスさせています。
・レースでの開発に積極的
MotoGPではカル・クラッチローとアンドレア・イアンノーネが使用しています。
イアンノーネは市販グラフィックで走行をした事もあり、
実際のレースでもほぼ市販品を使用していと考えられます。
世界最高峰クラスからのフィードバックは市販品の開発に有益だと思います。
・派手なグラフィック
マーベル作品やDC作品、ピクサー作品とのコラボがあり、
派手で遊び心のあるグラフィックが多いのも特徴です。
・日本人向け内装
日本仕様の内装は、日本人に合わせた形状となっています。
被り心地に関しても高いレベルを有しています。
上記の特徴で気になった方は、HJCのヘルメットを選択肢に入れても良いと思います。
次項ではオススメヘルメットを紹介します。
オススメヘルメット
◼︎HJCのフラグシップ
RPHA11
▲カラーリング:イアンノーネ 29 レプリカ
帽体にはP.I.M. PLUSを使用、安全性と軽さを両立させつつ、
快適性と高い空力特性を有した形状が特徴です。
頭頂部横のベンチレーションは、コマを回転させて調節できることから、
グローブ装着状態でも操作が容易です。
また、地味に嬉しいのがアンチフォグレンズとスモークシールドが付属している点です。
価格設定も手が出しやすく、総合的に良いヘルメットだと思います。
◼︎ツーリング性能を重視するなら
RPHA70
▲カラーリング:フォービック
帽体はRPHA11同様にP.I.M. PLUSを使用、
形状もRPHA11とよく似ており、高い空力特性を有しています。
ツーリングや普段使いをターゲットとしていることから、
インナーバイザーを装備しています。
またバックルをラチェット式とする事で、使い勝手を大きく向上させています。
なおフォービックというグラフィックは、
cousteauというデザイナーのデザインになります。
cousteauはInstagramで様々なヘルメットデザインを公開していますので、
気になる方はチェックしてみてください。
◼︎オフロードヘルメットなら
i50
▲カラーリング:ヒューリー
i50の最大の特徴はSLID(Sliding Layer Impact Distribution)という
構造が採用されている点です。
ヘルメットは外装と内装の組み合わせで安全性を保っていますが、
SLIDは内装にゲル素材が含まれています。
このゲルにより、ヘルメットを回転させる力を分散させ、
安全性をより向上させています。
なおi50は価格設定もものすごく良心的です。
オフロード初心者や、お試しでオフヘルが欲しい方にはオススメのヘルメットだと言えます。
HJCの懸念
ここまでHJCの特徴を紹介してきましたが、
HJCのヘルメットは、残念ながらよく思っていない人が多いのも事実です。
その理由はMotoGPでの発生したいくつかの問題にあります。
下記で紹介します。
2019年シーズンで引退したホルヘ・ロレンソは、2013年からHJCヘルメットを使用、
2014年のオフには契約を更新し、2015・2016年はHJCと契約していました。
しかし、2015年のオフに契約を解除しています。
これは2015年シーズンに内装の脱落、バイザーの曇りと、
2回のトラブルを経験した事が理由と言われています。
よってこのトラブルを知っている人は、HJCに良いイメージはないかも知れません。
◼︎カル・クラッチローのトラブル
カル・クラッチローは2019年からHJCを使用していますが、
第9戦ドイツGPでは3位を走行中、残り5周でペースを上げようとした際、
風により目に涙が溜まったため、アタックできなかったとコメントしています。
以下カル・クラッチローのコメントです。
「(前略)残り5周でアタックしようとしましたが、風が強く目に涙がたまったので、瞬きして流そうとしているうちに、ビニャーレスとのギャップが広がってしまいました。」
引用: ホンダHP
これは通気口かバイザーの隙間からの風と思われますが、
各レースで徹底して管理されているはずの製品でのトラブルとあり、
HJCへの不信感を感じた人が多いのも事実です。
まとめ
本記事ではHJCを紹介しました。
懸念点はありますが、良い点も多く、
価格も含めた総合力はかなり高いメーカーだと思います。
技術力やデザイン性も高いと思いますので、
納得されたうえで購入すれば、後悔することはまず無いと考えます。
この記事がヘルメット選びの参考になれば幸いです。
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