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ヘルメットの選びの基本

ヘルメット内装の緊急脱着システムについて【目的も解説】

投稿日:2020年2月22日 更新日:

ヘルメットを見てると顎の左右に、文字やマークが有るのを見たことがあると思います。

▼下記写真の赤丸部分です。写真のヘルメットはSHOEI X-14です。

これは、緊急時にヘルメットの内装を脱着するためのタグの場所を示したラベルになります。

しかし何故そのようなシステムが必要なのか?
目的が分からなければ、自分に必要なのか分からないと思います。
そこでまずは緊急時の内装脱着が何故重要なのか解説します。

ヘルメットを選んでいる方で、システムの要否を迷っている人は、
是非読んでみてください。

そもそもの目的

まずはヘルメット内装の脱着を用意にする目的について説明します。

医療関係の用語で「高エネルギー外傷」という言葉があります。
言葉の定義は下記になります。

高エネルギー外傷(こうえねるぎーがいしょう)とは、体に大きな力(高いエネルギー)が加わって起こった外傷である。 スピードの速い交通事故、落下事故などが該当する。 身体内部の広い範囲で組織が破壊されている恐れがあり、目に見える徴候がなかったとしても生命に危険を及ぼす可能性が高い。
出典:https://www.kango-roo.com/word/6922

定義の中に大きなエネルギーとありますが、
これをバイクに当てはめると、30km/h以上の事故と定義されています。
つまり、停止中や停止間際、発進直後を除くと、
バイク事故の多くは高エネルギー外傷に当てはまることになります。

バイク事故の高エネルギー外傷では、頭部を守ることはもちろん重要ですが、
胸部首廻りのダメージ有無も予後を考えるうえで重要な要素です。

頸椎と頸髄

首廻りとは具体的に言うと頸椎と頸髄です。
頸椎が首の骨、頸髄がその中を通っている神経になります。
神経は傷付けてしまうと、関連する箇所に麻痺が出てしまうケースがあります。
その為予後を考えると、事故時の首回りの保護が重要なのが分かると思います。
頸椎にダメージが入ってしまうと、頚髄へのダメージが心配されますが、
事故時点では問題がなくても、ヘルメットを脱がす際にダメージが入ることもあります。
そこで重要なのが緊急脱着のシステムになります。

では、事故時にヘルメットを第三者が脱着するケースを想像してください。
救急関係の仕事に従事されている方は分かるかと思いますが、
一人が顔を固定し、もう一人がヘルメットを脱がすことで、
頸椎を固定し、頚髄へダメージが加わることを防止しています。そのため二人必要です。

緊急脱着のシステムがあれば、一人でヘルメットを固定して内装を外すことができ、
頸椎への負担を少なくヘルメットを脱着することができます。
よって事故時のリスクを減らすことができるシステムだということができます。

各社で呼び方が違う

内装の脱着システムはAraiが開発しましたが、
ライダーの利益のために独占しなかったため、各メーカーが追従したようです。
ただし各メーカーで呼び方が違うため、下記に紹介します。

Arai:EMERGENCY TAB
SHOEI:E.Q.R.S.(Emergency Quick Release System)
NOLAN(X-lite):NERS
AGV:名前分からず

サーキット走行での必需品

サーキットを走行される方は、転倒時のリスクを考えると脱着システムはあった方が良いですが、
それよりもあった方が良い装備がヘルメットリムーバーです。
MFJは2006年からロードレースで必須化していますし、サーキット走行される方は、
脱着システムの有無に関係なく、装備しておいた方が良いと考えます。

まとめ

本記事ではヘルメット内装の緊急脱着システムについて、解説させて頂きました。
あくまで転倒時の保険なので、不要と思う人はそれでも良いと思います。
しかしそもそもヘルメット自体がアクシデント時の保険の側面もあることから、
管理人としては、必要な装備であると考えます。

本記事がヘルメット選びの参考になれば幸いです。

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