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ヘルメット選びのヒント

【実は重要!】ヘルメットのライナーにおける新技術について

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ヘルメットというと、どうしてもシェル(帽体)の耐貫通性能や、
衝撃吸収性能に目がいきますが、
ヘルメットはシェルとライナーの構成により安全性を高めています。
したがってライナーの性能もとても重要です。

そこで本記事ではヘルメットのライナーについての新技術を紹介します。

・ライナーの重要性について
・ライナーに用いられる技術について

上記が気になる方は是非読んでみてください。

ライナーの重要性について

そもそもヘルメットはシェルライナー
内装の組み合わせで成り立っています。
外的物との衝突から保護するシェルと内装の間にあるのがライナーであり、
厚みはシェルよりも厚く、そのため衝撃吸収への影響度も高いといえます。
また、シェルに加わったダメージを、その厚みで効率よく吸収する事が要求されます。
どれだけ硬く、耐貫通性能に高いヘルメットであっても、
ライナーで衝撃を吸収できなければ、頭部へのダメージは大きくなります。

なお「落としたヘルメットは使用できない」というのは一般的ですが、
この理由は、シェルへのダメージは当然ですが、
ライナーへのダメージもあるためです。
一度衝撃吸収により変形した内装は、
もう新品時の性能を望むことはできません。
よって「落としたヘルメットは使用できない」と言われています。

ライナーに用いられる新技術

ライナーの重要性は前項で説明しました。
それだけライナーは重要なので、ヘルメットメーカー各社でノウハウがあります。
一般的には発泡スチロールで構成されていますが、
その材質の構成分布や厚み分布や成型方法については、
メーカーの思想やノウハウが詰まっています。

さて、ヘルメットのライナーに要求される性能は衝撃吸収性能
説明してきましたが、衝撃吸収性能の向上にあたり
新技術が多く発表されていますので紹介します。

・MIPS

MIPSはスウェーデンの企業が開発した技術になります。
正確にはMIPS社が提供するBPS(Brain Protection System)が技術の名前になります。
ヘルメットが衝撃を受けた際、頭に対しヘルメットは回転しようとします。
MIPS BPSはライナーと内装の間に衝撃吸収の為に滑る層が設けられており、
ヘルメットに回転させる力が加わった時、
頭に対しヘルメットだけが回転します。
回転力が頭部(脳)に伝わるとダメージになりますが、
MIPS BPSはヘルメットのみが回転することで、
頭部(脳)へのダメージを軽減させることができます。
製品としては、OGK KabutoのRT-33 MipsやBELLの一部製品に用いられています。
 

・SLID

ヘルメットメーカーのHJCを紹介した記事でも紹介しましたが、
HJCのオフロードヘルメットにはSLIDが採用されています。
ヘルメットに衝撃が加わると、頭部に直接衝撃が加わることは少なく、
多くの場合はヘルメットを回転させる力が働きます。
回転させる力が強く、早くなるほどに頭部(脳)へのダメージは大きくなります。
SLID(Sliding Layer Impact Distribution)はシェルとライナーの間にゲル素材を設置し、
回転速度を遅く、衝撃を分散させる技術です。
SLIDはHJCのi50に搭載されています。

【北米No.1 】HJCについて紹介【特徴と懸念】

ODS

ODS(Omni-Directional-Suspension)はアメリカの6D HELMETSが開発した技術です。
Omni Directionalは和訳すると全方位となります。
また社名にある6DはXYZ軸の3軸と、
その軸回りの角速度を合わせた6軸を示してます。
ODSはシェルとライナーが無数のサスペンションで繋がっており、
ライナーが浮動固定されています。
サスペンションは伸び/圧縮/回転/せん断方向のすべての入力が減衰でき、
これにより全方位の直線的な入力や回転方向の入力を吸収することができます。
回転方向の衝撃を吸収する技術は他にもありますが、
直線的な入力を減衰する6Dの技術と、ライナーを浮動させる構造は、
他に類を見ない先進性を備えています。
なお今のところ国内に代理店は無いようですが、
アメリカではオフロード界を中心にシェアを伸ばしています。
購入の難易度は高いですが、興味の有る方は検討してみてください。

まとめ

本記事ではヘルメットのライナーにおける新技術を紹介させて頂きました。
ヘルメットの安全性はどれだけ高くても困るものではありません。

各社で共通しているのは、頭の中心に真っ直ぐ入力される力だけでなく、
頭を回転させる方向の力を軽減させようとしている点です。
より現実に即した形で安全性が進化していくのは、全ライダーにとって嬉しいものだと思います。
今後はライナーについても注目し、ヘルメットを選んでもらえたらと思います。

本記事がヘルメット選びの参考になれば幸いです。

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