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安全基準について

【ヘルメット安全性を比較】SHARPについて解説

投稿日:2019年12月19日 更新日:

以前ヘルメットの規格について解説さて頂きましたが、各規格は基準を示しているだけであり、
それぞれのヘルメットが基準に対してどれだけマージンがあるのか、また性能差があるのかについては規格だけでは分かりません。
ヘルメットの安全性の比較としてはSHARPがありますが、内容については明確でない人も多いと思います。
本記事では「ヘルメットの安全面の比較を知りたい」方や「SHARPは聞いたことあるけど。。。」といった方に向けて、
SHARPについて解説しています。それでは、ぜひ読んでみてください。

 

▼ヘルメットの各規格について

【安全性が分かる】ヘルメットの規格をまとめました!

 

|SHARPとは

SHARPは(the Safety Helmet Assessment and Rating Programme)の略であり、2007年からイギリス運輸省の管轄で始まりました。
目的はヘルメットの正しいフィッティングと快適性、安全性の相対評価の情報を提供し、一般のライダーがヘルメットを選ぶ助けをすることです。
SHARPの評価方法や考え方は論文のCOST 327に基づいています。
SHARPでは論文の内容について特に重要な点を抜粋されていたので紹介します。
・人間の側頭部は弱く、重傷化を防ぐためにはヘルメットの側頭部のプロテクションは重要である。
・ヘルメットの衝撃吸収性を30%向上させると、重傷者や志望者の50%を減らすことができる。

▼SHARPのHP
https://sharp.dft.gov.uk/

 

|SHARPの評価方法

SHARPでは衝撃吸収性の確認として、フロント、右側頭部、左側頭部、リヤ、頭頂部にフラットな衝突板と半球型の衝突板を当てる試験をします。
また表面の摩擦性能を確認するため、斜めの板にこするように当てる試験を実施します。
衝突速度は、6.5m/s、7.5m/s(ECE 22-05の試験速度)、8.5m/s(表面の摩擦性能確認は8.5m/sのみ)で確認しており、
衝撃吸収性は30パターン、表面の摩擦性能確認は2パターンの試験を実施しています。

 

|評価結果の確認

評価はCOST 327の研究結果に基づき☆の数で表されます。
なお頭部に与える衝撃については、各インパクトゾーンに分けて評価されます。
またSHARPの特徴として、評価は公表前に生産者に知らされ、生産前の社内テストと結果に差異が有れば、抗議を受け入れる点があります。
そのため公表されている結果はメーカーの結果と差異がないと言えるため、参考になるデータであると言うことができます。
なお紹介されているヘルメットの名前はイギリス国内の名前であることから日本での製品名とは違うため注意が必要です。

 

|注意点

SHARPにおいて注意点がいくつかあります。
一つ目はチンバーテスト(顎部の評価試験)は行っていない点です。各ヘルメットの評価に顎部の性能は含まれていない点は注意が必要です。
またSHARPはフルフェイスヘルメットとシステムヘルメットの評価のみ実施していますが、システムヘルメットの評価については、衝撃吸収性の確認時に、開閉部のロックシステムの保持性の確認をしています。
30パターンのテストで保持されていれば100%、21パターンのテストで保持されていれば70%といった評価になります。
ただしそれらが安全に与える影響については定量的な評価がありませんので参考であるとSHARPでは扱われています。

 

|まとめ

本記事ではSHARPについて説明させて頂きました。
確認は簡単ですので、ヘルメット選びの参考にしてみてください。
なおSHARPにおいても、「正しいフィッティングでなければ安全性は発揮されない」と明記されています。
SHARPでは、正しいフィッティングのヘルメットを選ぶ方法についてと、ヘルメットのケアについても解説がされています。
それらについてはいずれ説明させていただきます。

 

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ヘルメットログの管理人です。
二輪業界の極東に生息しています。Arai信者のKabuto贔屓です。
ヘルメットの使用遍歴はMHR・TOP⇒Kabuto・Aeroblade3⇒Arai・Astro IQです。現在はKabuto・RT-33、Arai・RX-7X、SHOEI・VFX-Wを併用しています。